国際相続における相続税の課税範囲
日本の相続税は、被相続人(亡くなった方)と相続人の居住地によって課税範囲が異なります。「無制限納税義務者」(日本に住所がある相続人)は、取得した財産が国内外を問わず全世界財産に対して相続税が課税されます。「制限納税義務者」(日本に住所がない相続人)は、取得した日本国内にある財産のみに相続税が課税されます。
相続人・被相続人の居住地による課税範囲
| 被相続人の居住地 | 相続人の居住地 | 課税範囲 |
|---|---|---|
| 日本(居住者) | 日本(居住者) | 全世界財産(無制限納税義務) |
| 日本(居住者) | 海外(非居住者) | 全世界財産(無制限納税義務)※10年以内に帰国した場合 |
| 海外(非居住者) | 日本(居住者) | 全世界財産(無制限納税義務) |
| 海外(非居住者) | 海外(非居住者) | 日本国内財産のみ(制限納税義務) |
海外財産の評価方法
海外財産の相続税評価は、原則として日本の相続税評価の方法(財産評価基本通達)に準じて行います。海外不動産は、日本の路線価・固定資産税評価額に相当する現地の評価額を使用するか、売買実例価額・精通者意見価格等を参考に評価します。海外の上場株式・預金等は、相続開始時の時価(現地通貨建て)を相続開始時の為替レートで円換算して評価します。
外国税額控除と租税条約の活用
海外財産に対して現地でも相続税・遺産税が課税される場合、二重課税を避けるために外国税額控除を活用できます。また、日本と租税条約を締結している国(米国・英国・フランス等)との間では、租税条約に基づいて二重課税が調整されます。国際相続の申告は、日本の税理士と現地の税務専門家が連携して行うことが重要です。
まとめ:国際相続は早期の専門家への相談が不可欠
国際相続は、被相続人・相続人の居住地・財産の所在地によって課税範囲・評価方法・外国税額控除の適用が複雑に絡み合います。海外に財産・相続人がいる場合は、相続開始前から国際税務に精通した税理士と相談して、相続税の課税範囲・評価方法・申告手続きを事前に把握しておくことが重要です。



