ゴルフ会員権の税務:2014年改正の影響
ゴルフ会員権の税務は、2014年4月の税制改正で大きく変わりました。
改正前(2014年3月以前):
ゴルフ会員権の売却損は、他の譲渡所得(不動産・株式等)と損益通算できました。
改正後(2014年4月以降):
ゴルフ会員権・リゾート会員権の売却損は、他の譲渡所得との損益通算ができなくなりました。
この改正により、ゴルフ会員権の節税スキーム(含み損のある会員権を売却して不動産売却益と相殺する手法)は使えなくなりました。
個人保有のゴルフ会員権の税務
売却益の課税
ゴルフ会員権の売却益は「総合課税の譲渡所得」として課税されます。
課税計算:
- 所有期間5年以下(短期譲渡):売却益の全額が課税対象
- 所有期間5年超(長期譲渡):売却益の1/2が課税対象
注意: ゴルフ会員権の売却益は、株式・不動産の売却益とは損益通算できません(それぞれ別の課税区分)。
売却損の取扱い
2014年改正後、ゴルフ会員権の売却損は他の所得との損益通算ができません。同年中に他のゴルフ会員権の売却益がある場合のみ相殺できます。
法人でのゴルフ会員権保有
法人がゴルフ会員権を保有する場合、以下の税務処理が適用されます。
購入時の処理
ゴルフ会員権は「ゴルフ場の施設利用権」として、法人の資産(無形固定資産)に計上します。減価償却はできません(非減価償却資産)。
使用時の処理
役員・従業員がゴルフ会員権を使用した場合:
- 業務上の使用(接待・取引先との関係維持):交際費として損金算入(ただし交際費の損金算入限度額の制約あり)
- 個人的な使用:役員・従業員への給与(現物給与)として課税
売却時の処理
法人がゴルフ会員権を売却した場合、売却益は益金、売却損は損金として処理します。個人と異なり、他の損益との通算制限はありません。
ゴルフ会員権の相続・贈与時の評価
相続税評価額の計算:
| 会員権の種類 | 評価方法 |
|-----------|---------|
| 取引相場のある会員権 | 課税時期の取引価格 × 70% |
| 取引相場のない会員権(株式形態) | 取引相場のない株式の評価方法に準じる |
| 取引相場のない会員権(預託金形態) | 返還を受けられる預託金等の額 |
リゾート会員権の税務
リゾート会員権(ホテル・別荘・スポーツ施設等の会員権)も、ゴルフ会員権と同様の税務処理が適用されます。
リゾート会員権の注意点:
- 会員権の内容(施設利用権・預託金返還請求権等)によって評価方法が異なる
- 施設が廃業・倒産した場合、会員権の価値がゼロになるリスクがある
- 相続財産として計上する際は、実際の取引価格(時価)を確認することが重要
まとめ:ゴルフ会員権は法人保有が有利
2014年の税制改正後、個人でゴルフ会員権を保有する節税メリットは大幅に低下しました。一方、法人保有の場合は交際費としての損金算入や売却損の損益通算が可能なため、法人保有の方が税務上有利なケースが多くなっています。
既に個人でゴルフ会員権を保有している場合は、法人への移転(売買・現物出資等)を検討することも一つの選択肢です。


