法人税節税
2026年1月28日2分で読める2

法人の準備金・引当金の税務:貸倒引当金・退職給付引当金の損金算入

伊藤 誠

税理士・中小企業診断士

法人の準備金・引当金の税務:貸倒引当金・退職給付引当金の損金算入

法人の引当金・準備金の税務上の取扱い

会計上は、将来の費用・損失に備えて引当金(貸倒引当金・退職給付引当金・製品保証引当金等)を計上することが認められています。しかし、税務上は原則として引当金の損金算入は認められておらず、実際に損失が発生した時点で損金算入されます。例外として、税務上の損金算入が認められる引当金は、①貸倒引当金(中小企業等に限定)のみとなっています(2012年の税制改正で退職給付引当金等の損金算入は廃止)。

貸倒引当金の損金算入(中小企業等)

貸倒引当金は、売掛金・貸付金等の金銭債権の貸倒れに備えて計上する引当金です。税務上の損金算入が認められるのは、中小企業(資本金1億円以下等)に限定されています。貸倒引当金の計算方法は、①一括評価(期末の売掛金等の残高に一定率を乗じる)と②個別評価(個別の債権の回収可能性を評価)の2種類があります。

計算方法対象債権繰入率・計算方法適用要件
一括評価一般の売掛金・貸付金等期末残高 × 実績繰入率(最大0.6%)中小企業等(資本金1億円以下)
個別評価回収困難な特定の債権回収不能見込額(50%・100%)債務者の経営状態・担保の有無等

退職給付引当金の廃止と退職金の損金算入

2012年の税制改正により、退職給付引当金の損金算入は廃止されました。現在は、実際に退職金を支払った時点で損金算入されます。退職金の損金算入を計画的に行うためには、①退職金規程の整備、②退職金の積立(中小企業退職金共済・特定退職金共済等)、③役員退職金の適正額の設定が重要です。

まとめ:引当金の税務は会計と税務のギャップに注意

法人の引当金は、会計上は費用として計上できますが、税務上の損金算入が認められるのは貸倒引当金(中小企業等)のみです。会計上の引当金と税務上の損金算入のギャップ(一時差異)は、税効果会計で処理します。引当金の税務取扱いについては、税理士と連携して適切に管理することをお勧めします。

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